フラッシュ・クラッシュ

意味と解説

フラッシュ・クラッシュ(Flash Crash)とは、マーケットが急激に動き瞬間的に暴落することを意味します。

瞬間的な暴落=フラッシュ・クラッシュは、株式市場やFX市場などのインターネットを介した取引が主流のマーケットを中心に、数年に1回の頻度でたびたび発生しています。

過去のフラッシュ・クラッシュ

株式市場で2010年5月6日に起こったダウ・ジョーンズ工業平均株価(the Dow Jones Industrial Average)のフラッシュ・クラッシュは、史上最悪といわれるフラッシュ・クラッシュの一つです。

このフラッシュ・クラッシュの際、ダウ・ジョーンズ工業平均株価は10分ほどで1000ポイントも暴落しました。フラッシュ・クラッシュ当日の終値ではクラッシュの70%ほどを回復させ取引を終えたダウ・ジョーンズ工業平均株価ですが、フラッシュ・クラッシュにより1兆ドル(100兆円)を超える投資資本が蒸発したとされています。

この2010年5月のダウ・ジョーンズ工業平均株価のフラッシュ・クラッシュの原因となったのは、ロンドンの先物取引業者の注文ミスであることが、その後すぐの調査で判明しています。

2010年以降は、2013年8月にNYSEで、2012年5月にはFacebookのIPOで近い事象が発生しています。

フラッシュ・クラッシュの抑止に向けて

近年、証券取引のほとんどがインターネットを介して複雑に絡み合い世界中で取引されています。FX取引などのCFD取引に至っては、そのマーケットがインターネット上に存在すると表現しても過言ではありません。

そのようなインターネットを介したマーケットでは、ますますアルゴリズムによる取引が勢力を増し、マーケットの仕組みから参加者のそのすべてがコンピューターとなっています。コンピューターに管理されるマーケットにおいては、グリッチ(バグ)やエラーなどの発生確率が高まり、そこで発生する値動きに俊敏に反応するロボットも増え、フラッシュ・クラッシュが発生・誘発されやすい傾向が強まっています。

こうしたマーケットの環境の変化を受けて、ニューヨーク証券取引所などをはじめとする世界の取引所は、フラッシュ・クラッシュを防ぐためのセキュリティ対策やメカニズムの構築とマーケットにおける安定した取引維持のために多くのリソースを割き様々な仕組みを導入しています。

フラッシュ・クラッシュを完全に排除することはおそらく人の手では不可能なことですが、マーケットを提供する側は、日夜、フラッシュ・クラッシュを防ぐ努力を続けています。

スペルと読み方

ふりがな ふりがな
(読み仮名)
ふらっしゅ・くらっしゅ
スペルFlash crash

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